~ Starman ~ 短編小説編
天王星子(てんのうほしこ)はこれまでたびたび
「無機質だね!」と言われることがあった。
とても「Pure」に見えるらしい。
自分では特にそう感じたことはなかった。
あまり「この人をこう動かしたい!」とか
「こうなればいいのに!」といった自己顕示欲も自分には
どうだっていいことに思えたりした。
時々、サイクルが来ると天からメッセージが降りてきて、
いわゆる「インパクト」を与えるべく役目を果たさないといけない
という任務が任されていた。
それはとても自然な流れでやって来るため、
なんの恐れや不安もなく事を遂行することができた。
周囲の中には
「あれほど大胆なことを言ってもビクともせず、
そんな小さなどうでもいいことで「どうしよう?」
と悩むのが不思議!」
と言われたりもした。
たしかにそうなのかもしれない。
そうこうするち、星子は知らず知らずのうちに、
おそらくテレビには一生懸命でているけれど、
仲々、有名になれない売れない芸人よりも
遥かに有名になっていた。
ネットの普及で今、世界はテレビよりもネットなのだ。
でも星子は自分からガンガン売ったことはない。
自分はあまりにも普通の平和主義者のひとりであり、
ただただ普通に生活する人に過ぎなかった。
それがかえってめずらしいのか?
それも星子のなかでは、とても自然なことだった。
毎日、健康的な食事と充分な睡眠と
多すぎない人間関係(人間関係が多すぎるのも問題)が心の平和を保ってくれる。
今日も久しぶりに大天使ミカエルからメッセージを受け取った。
このメッセージを伝えることに力強く天から「YES」のサインを見せてくれていた。
夜、星を眺めるついでに散歩がてらコンビニへ寄ってみよう。
コンビニのドアが開いた瞬間に、
それまで流れていた曲が一瞬にして一変した。
それはデビッド・ボウイの「Starman」だった。
ボウイ!今宵は勇気をありがとう。
私は地上のStar people。
沢山の地上の天使たちのレスキュー隊の一員。
冬空は星たちがキラキラと輝いていた。
お終い